GNUPLOT
Section: User Commands (1)
Updated: 2019 年 3 月 15 日
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名前
gnuplot - 対話型グラフ描画プログラム
形式
gnuplot
[X11 options] [options] [file ...]
機能説明
gnuplot
は、コマンド入力方式の対話的な描画プログラムです。
コマンドラインから複数のファイル名を与えると、
gnuplot は各ファイルを指定した順番に読み込み、実行し、
そして最後のファイルを処理したら終了します。
ファイルを指定しなかった場合は、
gnuplot は対話型でコマンドの入力を促します。
gnuplot は以下のような特徴を持ちます:
C の演算子や C の数学ライブラリ関数、
そして ** や sgn() などのように C にはないようなものを用いて表現された
任意個数の関数の描画。
ユーザ定義定数、ユーザ定義関数。
複素数の範囲でのすべての計算。デフォルトでは実数部分のみが描画されますが、
これを変更するために imag() や abs(), arg() のような関数が用意されています。
ファイルのユーザデータの描画用の多くの表示スタイル形式。回帰曲面、
誤差線 (errorbars)、箱ひげ四分位 (boxplots)、ヒストグラム (histograms)、
温度分布、画像データの簡単な処理機能なども持っています。
以下の Web 上に、デモを集めたものが置いてあります:
http://gnuplot.info/demo
非線形の最小二乗法。
2 次元、3 次元描画とマウスによる拡大、回転制御、ハイパーテキスト。
シェルコマンドの実行とコマンドライン置換。
load と save。
極めて多くの種類の出力デバイス、出力ファイル形式のサポート。
オプション
-p, --persist は、
gnuplot プログラムが終了した後も描画ウィンドウを残します。
-c scriptname ARG1 ARG2 ... は、
gnuplot の "call" の仕組みでスクリプト scriptname を読み込み、
コマンドラインの残りはそれへの引数として渡します。
-d, --default は、
デフォルトの設定で起動します。
これは、gnuplotrc や ~/.gnuplot を起動時には読み込みません。
-e "command list" は、
次の入力ファイルを読み込む前に指定したコマンドを実行します。
-s, --slow は、
遅いフォントの初期化を待ち、エラーを出したまま続行することを避けます。
-h, --help は、使用法の要約を表示します。
-V は、現在のバージョンを表示します。
X11 オプション
x11 出力形式に関しては、
gnuplot は geometry やフォント、
背景色などの通常の X Toolkit オプションやリソースの指定を受けつけます。
それら通常のオプションについては、
X(1) のマニュアルページを参照してください。
gnuplot 特有の追加の X のオプションについては、
gnuplot のコマンドライン上で
help x11 として確認してください。
これらのオプションは、他の出力形式では何もしません。
環境変数
gnuplot は多くのシェル環境変数を認識します。必須のものはありません。
- GNUTERM
-
デフォルトで使用される出力形式 (terminal) の名前。
これは、gnuplotrc や .gnuplot 等の初期化ファイルや、
そしてもちろんその後にコマンド "set terminal" で
明示的に指定したものの方が優先されます。
- GNUHELP
-
ヘルプファイル (gnuplot.gih) のパス名。
- HOME
-
ファイル .gnuplot を検索するディレクトリ。
- PAGER
-
ヘルプメッセージの出力用のフィルタ。
- SHELL
-
"shell" コマンドの際に使われるプログラム。
- FIT_SCRIPT
-
当てはめ (fit) が中断されたときに実行する gnuplot コマンドの指定
("help fit" 参照)。
- FIT_LOG
-
当てはめ (fit) の使用するログファイルの名前。
- GNUPLOT_LIB
-
データやコマンドファイルの検索ディレクトリの追加定義。その変数は、
一つのディレクトリ名か、または ':' 区切りで複数のディレクトリ名を
つなげて書いたものです。GNUPLOT_LIB の値は変数 "loadpath" に追加されますが、
それは "save" や "save set" コマンドでは保存されません。
- GDFONTPATH
-
出力形式の中には gd ライブラリ経由で TrueType フォントを扱えるものが
いくつかあります。この変数はそれらの出力形式に対するフォントの
検索パスを与えます。
- GNUPLOT_DEFAULT_GDFONT
-
gd ライブラリ経由で TrueType フォントを扱う出力形式のデフォルトフォント。
- GNUPLOT_FONTPATH
-
postscript 出力形式が使用するフォント検索パス。
書式は GNUPLOT_LIB と同じです。
GNUPLOT_FONTPATH の値は変数 "fontpath" に追加されますが、
それは "save" や "save set" コマンドでは保存されません。
- GNUPLOT_PS_DIR
-
postscript 出力形式が探す外部 (prologue) 定義ファイルの置き場所。
インストール時の作業により、gnuplot にはそれらのファイルのコピーが
組み込まれているか、または単にそれらのファイルのあるデフォルトのパスが
埋め込まれるかが変わります。カスタマイズした定義ファイルで postscript 出力を
テストする場合は、この環境変数を使ってください。"help postscript prologue"
参照。
ファイル
- gnuplotrc
-
gnuplot は、起動時に gnuplotrc というシステム全体用の
初期化ファイルを探します。
このファイルの、gnuplot が探そうとする標準的な置き場所は、
コマンド "show loadpath" で見ることができます。
- .gnuplot
-
システム全体用の初期化ファイルを読み込んだ後で、
gnuplot は個人用の初期化ファイルを
そのホームディレクトリ (HOME) 上で探します。
ここには、正しい gnuplot コマンドなら何を書いてもいいのですが、
一般的には、よく使う出力形式の指定や、線種の設定、
よく使う関数や変数の定義を設定する程度に抑えておきます。
- fit.log
-
コマンド "fit" によって出力されるログファイルのデフォルトの名前。
作者
元々の作者: Thomas Williams, Colin Kelley
gnuplot バージョン 3.8 以降、ソース一式は、SourceForge 上で、
とても多くの寄与者によって共同で保守されています。
バグ
バグがあれば、SouceForge 上の bug tracker プロジェクトを使って報告してください。
参照
個々のコマンドの詳細については、印刷されたマニュアルやオンラインヘルプを参照。
プロジェクト Web サイト:
http://gnuplot.info