W3M
Section: User Commands (1)
Updated: 2016-04-02
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NAME
w3m
- text base pager/WWW browser
SYNOPSYS
w3m
[options] [file | URL]
DESCRIPTION
はじめに
w3m
は,テキストベースのページャ/WWWブラウザです.これを使うと,
kterm(1)
などのキャラクタ端末上で,ローカルファイルを見たり,WWWの内容を見たりすること
ができます.
引数にファイル名を指定すればそのファイルを表示し,URLを指定すればその内容を表
示します.何も指定しなければ,標準入力の内容を表示します.ただし,標準入力が
tty(4)
である場合には,何もせずに終了します.
オプションは次の通りです.
- +番号
-
起動後,指定の行番号に移動する.
- -t 幅
-
タブの幅を指定する.デフォルトは 8.
- -r
-
text/plainの文書を表示する場合,重ね打ちによる強調文字を表示しない.
このオプションを付けない場合,
``A^H_''
はAのアンダーラインとして表示され,
``A^HA''
はAのボールドとして表示される.
- -l 行数
-
標準入力の内容を表示するときに保存される最大行数を指定する.
デフォルトは10000.
- -O 文字コード
-
表示に使う文字コードを指定する.
- -I 文字コード
-
入力文書の文字コードを指定する.
- -T タイプ
-
表示する文書のタイプを指定する.この指定がない場合,ファイル名の拡張子によって
自動判別される.判別できない場合はtext/plainとみなされる.
-
例:
- cat hoge*.html | w3m -T text/html
-
標準入力からHTMLファイルを読んで表示する
- w3m -T text/plain hoge*.html
-
HTMLファイルのソースを表示する
- -m
-
Internet messageモードで表示する.Internet messageモードの場合,
ヘッダの内容を見て,Content-Type: があればそれを参考にする.電子メールや
ネットニュースの記事を読むときに便利.
- -v
-
visual startupモード.
コマンドライン引数に URL やファイルを指定していなくても
初期画面が表示される.
- -B
-
Bookmarkを表示する.
- -bookmark file
-
Bookmark のファイルを指定する.
- -M
-
カラー表示をしない.
- -F
-
フレームを自動表示する.
- -s
-
連続する空行を1行にまとめて表示する.
- -X
-
w3m
終了時に,以前の画面に戻らない.
- -title=TERM
-
端末のタイトル文字列を設定する.
- -W
-
折り返しサーチを使うかどうかを切りかえる.
- -o option=value
-
オプションを指定する.
- -show-option
-
利用できるオプションを表示する.
- -no-proxy
-
プロキシを利用しない.
- -no-mouse
-
マウスを利用しない.
- -cookie
-
クッキーを処理する.
- -no-cookie
-
クッキーを処理しない.
- -num
-
行番号を表示する.
- -dump
-
URLの内容を読みこみ,整形されたバッファの内容を標準出力に書き出す.
文書の幅は80桁と仮定される.この幅は,次の
-cols
オプションで変更可能.
- -cols 幅
-
-dump
オプションを使う場合に,文書の幅を指定する.
- -ppc ピクセル数
-
文字の幅を指定する.デフォルトは 8.0.
- -dump_source
-
URLの内容を読みこみ,整形せずに標準出力に書き出す.漢字コード変換もされない.
- -dump_head
-
URLにアクセスし,ヘッダ情報を出力する.
- -dump_both
-
URLにアクセスし,ヘッダ情報とHTMLソースを出力する.
- -dump_extra
-
URLにアクセスし,拡張情報とヘッダ情報とHTMLソースを出力する.
- -post file
-
ファイルの内容をPOSTする.
- -header string
-
HTTP要求ヘッダを追加する.
- -config file
-
configのファイルを指定する.
- -help
-
ヘルプを表示する.
- -version
-
w3m versionを表示する.
文書の表示内容
HTML文書を表示しているときには,次のような表示になります.
| カラー表示時 | 白黒表示時
|
|
リンク | 青色 | 下線
|
インライン画像 | 緑色 | 反転表示
|
FORMの入力部分 | 赤色 | 反転表示
|
|
カラー表示時の色は,オプション設定パネル
o
で変更することができます.
起動後の使いかた
起動した後は,1文字のコマンドをキーボードから入力することで
w3m
を操作します.
コマンドには次のようなものがあります.以下の記述では,
C-x
はコントロールxを表します.また,
SPC
はスペースバー,
RET
はリターンキー,
ESC
はエスケープキーです.
ここで書いてあるのは,オリジナル版のキー操作です.
ページ/カーソル移動
- SPC, C-v
-
次のページを表示します.
- b, ESC v
-
前のページを表示します.
- l, C-f, 右矢印キー
-
カーソルを右に移動します.
- h, C-b, 左矢印キー
-
カーソルを左に移動します.
- j, C-n, 下矢印キー
-
カーソルを下に移動します.
- k, C-p, 上矢印キー
-
カーソルを上に移動します.
- J
-
画面を1行上にスクロールします.
- K
-
画面を1行下にスクロールします.
- ^
-
行頭に移動します.
- $
-
行末に移動します.
- w
-
次の単語に移動します.
- W
-
前の単語に移動します.
- >
-
画面全体を右にずらします.(表示内容を左にずらす)
- <
-
画面全体を左にずらします.(表示内容を右にずらす)
- .
-
画面全体を1文字右にずらします.(表示内容を左にずらす)
- ,
-
画面全体を1文字左にずらします.(表示内容を右にずらす)
- g, M-<
-
文書のいちばん上の行に移動します.
- G, M->
-
文書のいちばん下の行に移動します.
- ESC g
-
画面下で行番号を入力し,そこで指定した行に移動します.
ここで
$
を入力すると,最終行に移動します.
- Z
-
カーソルのある位置を行の中央に移動します.
- z
-
カーソルのある行を画面の中央に移動します.
- TAB
-
次のリンクに移動します.
- C-u, ESC TAB
-
前のリンクに移動します.
- [
-
最初のリンクに移動します.
- ]
-
最後のリンクに移動します.
ハイパーリンク操作
- RET
-
現在カーソルがあるリンクが指す先の文書を読みこみます.
- a, ESC RET
-
現在カーソルがあるリンクが指す先の文書をファイルに保存します.
- u
-
現在カーソルがあるリンクが指す先のURLを表示します.
- i
-
リンクに関連付けられた画像へのURLの表示します.
- I
-
現在カーソルがあるリンクに対応する画像を表示します.
- ESC I
-
現在カーソルがあるリンクが指す画像をファイルに保存します.
- :
-
URL風の文字列をリンクにします.この機能は,HTMLでない文書を
読んでいるときにも有効です.
- ESC :
-
Message-ID風の文字列を,news: のリンクにします.この機能は,HTMLでない文書を
読んでいるときにも有効です.
- c
-
現在の文書のURLを表示します.
- =
-
現在の文書に関する情報を表示します.
- C-g
-
ページ中での現在位置を表示します.
- C-h
-
URL履歴を表示します.
- F
-
<FRAMESET>を含む文書を表示しているときに,<FRAME>タグの指す複数の文書を1つの
文書に変換して表示します.
- M
-
現在見ているページを,外部ブラウザを使って表示します.
2M, 3M, ..., 9M
で2番目,3番目,9番目のブラウザを使います.
- ESC M
-
現在のリンク先を,外部ブラウザを使って表示します.
2ESC M, 3ESC M, ..., 9ESC M
で2番目,3番目,9番目のブラウザを使います.
ファイルとURL関係の操作
- U
-
URLを指定して開きます.
- V
-
ローカルファイルを指定して開きます.
- @
-
コマンドを実行し,結果を全部読んでから表示します.
- #
-
コマンドを実行し,結果を読みこみながら表示します.
バッファ操作
- B
-
現在見ているバッファを削除し,一つ前のバッファを表示します.
- v
-
HTMLのソースを表示します.
- s
-
バッファ選択モードに入ります.
- E
-
現在見ているバッファがローカルファイルの場合,そのファイルをエディタで編集しま
す.エディタを終了した後,そのファイルを再度読み込みます.
- C-l
-
画面を再描画します.
- R
-
バッファを再度読み込みます.
- S
-
バッファの表示内容をファイルに保存します.
- ESC s
-
HTMLのソースをファイルに保存します.
v
でソースを表示して
S
で保存するのとほぼ同じですが,
ESC s
で保存したファイルは漢字コードがオリジナルのままであるのに対して,
v S
で保存すると現在表示に使っている漢字コードに変換されて保存されます.
- ESC e
-
現在表示されているバッファを,表示されている形式のままエディタで編集します.
バッファ選択モード
s
でバッファ選択モードに入ったときのキー操作です.
- k, C-p
-
一つ上のバッファを選択します.
- j, C-n
-
一つ下のバッファを選択します.
- D
-
現在選択しているバッファを削除します.
- RET
-
現在選択しているバッファを表示します.
ブックマーク操作
- ESC b
-
ブックマークを読み込みます.
- ESC a
-
現在見ているページをブックマークに追加します.
検索
- /, C-s
-
現在のカーソル位置からファイル末尾に向かって正規表現を検索します.
- ?, C-r
-
現在のカーソル位置からファイルの先頭に向かって正規表現を検索します.
- n
-
次を検索します.
- N
-
前を検索します.
- C-w
-
折り返し検索モードを切り換えます.
マーク操作
- C-SPC
-
マークを設定/解除します.マークは反転表示されます.
- ESC p
-
一つ前のマークに移動します.
- ESC n
-
一つ後のマークに移動します.
- 正規表現で指定された文字列を全てマークします.
-
その他
- !
-
シェルコマンドを実行します.
- H
-
ヘルプファイルを表示します.
- o
-
オプション設定パネルを表示します.
- C-k
-
クッキー一覧を表示します.
- C-c
-
文書の読み込みを中断します.
- C-z
-
サスペンドします.
- q
-
w3m
を終了します.オプションの設定によって,終了するかどうか確認します.
- Q
-
確認せずに
w3m
を終了します.
行編集
画面の最下行で文字列を入力する場合に有効なキー操作です.
- C-f
-
カーソルを右に移動します.
- C-b
-
カーソルを左に移動します.
- C-h
-
カーソルの直前の文字を削除します.
- C-d
-
カーソル位置の文字を削除します.
- C-k
-
カーソル位置から後を削除します.
- C-u
-
カーソル位置から前を削除します.
- C-a
-
文字列の先頭に移動します.
- C-e
-
文字列の最後に移動します.
- C-p
-
ヒストリから一つ前の文字列を取り出します.
- C-n
-
ヒストリから次の文字列を取り出します.
- TAB, SPC
-
ファイル名入力時に,ファイル名を補完します.
- RET
-
入力を終了します.
SEE ALSO
kterm(1),
tty(4)
AUTHOR
伊藤 彰則
aito@fw.ipsj.or.jp